自家米から広がる世界──コバタケファームと図司穀粉が描く米粉の未来
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京都府で無農薬米を中心に栽培する「コバタケファーム」様。
代表の小畠完さんは、栽培面積約5ヘクタールの田んぼで、うるち米やもち米を育て、自家米を使った米粉や加工品の販売にも力を入れています。
今や売上の半分を占める米粉事業ですが、その道のりは平坦ではありませんでした。

お米だけでは伸び悩んだ販売
農家としてスタートした当初は米の販売のみで、毎年1トン以上の在庫が残る状況が続きます。
「毎年1トンくらい余るんですよ。冷蔵庫も大きくなくて、カビてクレームになることもあった。だからブログを書いて必死に売ってたんです。」
販路を広げるための工夫や多角化の挑戦を経て、兵庫県の農家仲間から「米粉にしてみたら?」と勧められたことが転機となります。
米粉との出会いと試行錯誤
2015年、自家米を米粉に加工し始めますが、家庭用製粉機では粒が粗く、焼き上がりはボソボソ。
「ビスコッティもカチカチで。これじゃ米粉はあかんな、と妻とも話してました。」
その後、製粉会社に依頼すると品質が一変。2016年には米粉研究家の多森サクミさんが小畠さんの米粉でふわふわのパンを焼き、SNSで紹介。注文が急増しました。
「焼けないと思っていた米粉パンが、ふわふわに焼けたって言われて…。それで細かさの重要さを知りました。」
図司穀粉との出会い
数年間は他社に依頼していましたが、2023年の「オーガニックのコメコナーレ」で図司穀粉と初対面。
粒度や挽き方を細かく調整できる設備や柔軟な対応に魅力を感じました。
「図司さんのところは、本当に細かい注文を聞いてくれる。用途ごとに粒度を変えて試作できるのはありがたい。」
品種選びのこだわり


合鴨農法
主力は京都の在来種「旭一号」と兵庫県の在来種「名倉穂」。
もちもちしすぎず、洋菓子でも膨らみやすい特長があります。
「旭一号は京都ブランドの強みもあるし、名倉穂はパンにしたらめちゃくちゃ美味しい。誰も作ってない品種だから差別化にもなります。」
加工品への挑戦
米粉販売だけでなく、麺やお菓子にも挑戦。福島県の製麺所で作る「米粉100%麺」は、つなぎを一切使わない希少品です。
「一袋作るのに加工賃200円。高いけど、他が真似できない価値があります。」
お客様との関係性

「質問だけして買わない人もいるけど、その声から需要が見えることもある。」
細やかなコミュニケーションを通じて、品種や挽き方を調整し、長く続く関係を築いてきました。
これからの展望
「田んぼのそばで団子を食べる、そんな体験型イベントもやってみたい。野点みたいにして、最高の番茶と団子を楽しんでもらうとか。」
図司穀粉との協力で用途や要望に応じた米粉を提供できる体制は整いました。
「他がやらないことをやる」「小回りを利かせる」という信条のもと、自家米から広がる可能性をさらに追求していきます。